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故事・小話 「朝三暮四」 現代語訳

2月 21, 2014 by kanbunjuku // コメントは受け付けていません。



訳:蓬田(よもぎた)修一

<漢文>

朝三暮四

宋有狙公者。
愛狙、養之成群。
能解狙之意、狙亦得公之心。
損其家口、充狙之欲。

俄而匱焉。
将限其食。
恐衆狙之不馴於己也、先誑之曰、
「与若芧、朝三而暮四、足乎。」
衆狙皆起而怒。
俄而曰、
「与若芧、朝四而暮三、足乎。」
衆狙皆伏而喜。
(列子)

<書き下し>

朝三暮四

宋(そう)に狙公なる者有り。
狙(さる)を愛し、之(これ)を養ひて群を成す。
能(よ)く狙の意を解し、狙も亦(ま)た公の心を得たり。
其(そ)の家口を損じて、狙の欲を充たせり。

俄(にはか)にして匱(とぼ)し。
将(まさ)に其の食を限らんとす。
衆狙の己に馴れざるを恐るるや、先(ま)ず之を誑(あざむ)きて曰はく、
「若(なんぢ)に芧(とち)を与ふるに、朝(あした)に三にして暮れに四にせん、足るか。」と。
衆狙皆起(た)ちて怒(いか)る。
俄かにして曰はく、
「若に芧を与ふるに、朝に四にして暮に三にせん、足るか。」と。
衆狙皆伏して喜ぶ。

<現代語訳>

朝三暮四

宋に猿を飼っている人がいた。
彼は猿を愛し、猿を養い群を成していた。
彼は猿の考えを理解し、猿もまた彼の気持ちが分かっていた。
彼は家族の食料を減らしてでも、猿の食欲を満足させていた。

ところが、やがて(食べるものが)尽きてしまった。
そこで猿のエサを減らそうとした。
(しかし)猿たちが(エサを減らすことで、)自分になつかなくなることを心配したので、まず猿たちをだましてこう言った。
「お前たちにとちの実を与えるのに、朝三つ、夕方四つで足りるか?」
すると、猿たち立ちあがって怒り出した。
ほどなくして「では、お前たちにとちの実を与えるのに、朝四つ、夕方三つにしよう。足りるか?」と言った。
猿たちは皆、ひれ伏して喜んだ。



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