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十八史略 「先従隗始」 現代語訳

3月 3, 2014 by kanbunjuku // コメントは受け付けていません。



訳:蓬田(よもぎた)修一

<漢文>

先従隗始

燕人立太子平為君。
是為昭王。
弔死問生、卑辞厚幣、以招賢者。
問郭隗曰、

「斉因孤之国乱、而襲破燕。
孤極知燕小不足以報。
誠得賢士与共国以雪先王之恥、孤之願也。
先生視可者。
得身事之。」

隗曰、
「古之君有以千金使涓人求千里馬者。
買死馬骨五百金而返。
君怒。
涓人曰、『死馬且買之。況生者乎馬今至矣。』
不期年、千里馬至者三。
今王必欲致士、先従隗始。
況賢於隗者、豈遠千里哉。」
於是昭王為隗改築宮、師事之。
於是士争趨燕。
(十八史略)

<書き下し>

燕人、太子平を立てて君と為す。
是れ昭王為り。
死を弔ひ生を問ひ、辞を卑(ひく)くし幣を厚くして、以て賢者を招く。
郭隗(くわくわい)に問ひて曰はく、

「斉は孤の国の乱るるに因りて、襲ひて燕を破る。
孤極めて燕の小にして以て報ずるに足らざるを知る。
誠に賢士を得て与(とも)に国を共にし、以て先王の恥を雪(すす)がんこと、孤の願ひなり。
先生可なる者を視(しめ)せ。
身之に事(つか)ふることを得ん。」と。

隗曰はく、
「古の君に千金を以て涓人(けんじん)をして千里の馬を求めしむる者有り。
死馬の骨を五百金に買ひて返る。
君怒る。
涓人曰はく、『死馬すら且つ之を買ふ。況(いは)んや生くる者をや。
馬今に至らん』と。
期年ならずして、千里の馬至る者三。
今、王必ず士を致さんと欲せば、先づ隗より始めよ。
況んや隗より賢なる者、豈(あ)に千里を遠しとせんや。」と。

是に於いて昭王隗の為に改め宮を築きて、之に師事す。
是に於いて士争ひて燕に趨(おもむ)く。

<現代語訳>

燕の人たちは、太子平を擁立して王とした。
これが昭王である。
昭王は戦死者を弔い、生存者を見舞い、へりくだった言葉づかいをし、多くの俸禄を与え、賢者を(国に)招こうとしていた。
昭王は郭隗に次のように尋ねた。

「斉は私の国が乱れていることにつけこんで、攻め入って燕を打ち破りました。
私は、この燕の国が小国で、斉に報復できないことを十分承知しています。
嘘偽りなく、賢者を得て一緒に国を治め、先代の王の恥をすすぐことが私の願いです。
先生、よい賢者を教えて下さい。
私はその方に仕えることになるでしょう。」

郭隗は次のように言った。

「昔の王に、千金(の大金)で、そば近くに仕える者に、一日に千里を走る名馬を買いに行かせた方がいました。
(ところが)死んだ馬の骨を五百金の値段で買って帰って来たのです。
王は怒りました。
しかし、死んだ馬の骨を買った人が言うには、『死んだ馬(の骨)でさえ、(五百金もの大金で)買ったのです。生きている馬なら、なおさら高く買うに違いないと(馬を売る人たちは)思うでしょう。(千里の)馬は今に集まってくるでしょう。』
一年もたたないうちに、千里の馬が三頭も集まったのです。
王様、どうしても優秀な人物を招きたいなら、まずはこの隗をお召し抱え下さい。
(そうしたら、)この隗よりも賢い人物は、どうして千里の道を遠いと思うでしょうか(遠いとは思わずに仕官しに来るはずです)。」

そこで、昭王は隗のために住居を築き直し、師事した。
こうして、賢人たちが我先にと燕にやって来た。



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