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荀子 「人之性悪」 現代語訳

10月 14, 2014 by kanbunjuku // コメントは受け付けていません。

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訳:蓬田(よもぎた)修一

<現代語訳>

荀子 人の生まれたままの本性は悪である

人の生まれたままの本性というのは悪であり、それが善なのは人為的な努力をしたからなのである。
今、人の性を考えると、生まれながらにして利益を好む性質がある。
このことに従ってしまうので、(他人と)争い奪いあうことが生じて、譲る心を失ってしまう。
(また、人は)生まれながらにして、憎む性質を持っている。
このことに従ってしまうので、他人をそこなうこととなり、まごころと誠実さを失ってしまう。
(また、人は)生まれながらにして聞くことと見ることの欲を持っていて、美しい音楽や美人を好む性質がある。
このことに従ってしまうので、みだらな心が生じて、礼儀や物事の筋目を失ってしまう。
そうであるらば、人というのは生まれつきの性質に従い、(人の)感情のままに従っていると、必ず他人と争い奪いあい、物事の筋目を乱すことになり、乱れた状態になってしまう。
だから、必ず規範の教化や礼義の導きがあってその後に(はじめて)人に譲る心が表れ、条理にかない、(世の中が)平らかに治まるのである。
以上の点から考えると、人の(生まれたままの)本性は悪であることは明白である。
それが善であるのは、人為的な努力をしたからなのである。
(性悪)


<書き下し>

荀子 人の性は悪なり

人の性は悪なり、其の善なる者は偽(ゐ)なり。
今人の性は、生まれながらにして利を好む有り。
是(これ)に順(したが)ふ、故に争奪生じて、辞譲亡(ほろ)ぶ。
生まれながらにして疾悪(しつを)有り。
是に順ふ、故に残賊生じて、忠信亡ぶ。
生まれながらにして耳目の欲有り、声色を好む有り。
是に順ふ、故に淫乱生じて、礼義文理亡ぶ。
然(しか)らば則(すなは)ち人の性に従ひ、人の情に順はば、必ず争奪に出(い)で、犯文乱理に合して、暴に帰す。
故に必ず将(まさ)に師法の化、礼義の道(みちび)き有りて、然る後に辞譲に出で、文理に合して、治に帰せんとす。
此(これ)を用(も)つて之(これ)を観(み)れば、然らば則ち人の性は悪なること明らかなり。
其の善なる者は偽なり。
(性悪)

<漢文>

荀子 人之性悪

人之性悪、其善者偽也。
今人之性、生而有好利焉。
順是、故争奪生、而辞譲亡焉。
生而有疾悪焉。
順是、故残賊生、而忠信亡焉。
生而有耳目之欲、有好声色焉。
順是、故淫乱生、而礼義文理亡焉。
然則従人之性、順人之情、必出於争奪、合於犯文乱理、而帰於暴。
故必将有師法之化、礼義之道、然後出於辞譲、合於文理、而帰於治。
用此観之、然則人之性悪明矣。
其善者偽也。
(性悪)


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