老子 「大道廃、有仁義」 現代語訳
訳:蓬田(よもぎた)修一
<漢文>
老子 大道廃、有仁義
大道廃、有仁義。
智慧出、有大偽。
六親不和、有孝慈。
国家昏乱、有忠臣。
(俗薄第十八)
<書き下し>
老子 大道廃れて、仁義有り
大道廃れて、仁義有り。
智慧(ちゑ)出でて、大偽有り。
六親(りくしん)和せずして、孝慈有り。
国家昏乱(こんらん)して、忠臣有り。
<現代語訳>
老子 大道廃れて、仁義あり
大道が廃れたので、(次善のものとして)仁義が生まれた。
知恵ある者が出てききてから、ひどい偽りが生じるようになった。
親子、兄弟、夫婦が不和になったので、親孝行者が目立つようになった。
国家が乱れたので、忠臣というものが浮かび上がってきた。
※大道:老子が説く、偉大な道。
※仁義:儒家が重んじる「仁」と「義」の道徳。