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日本漢文 「万事之病根」 現代語訳

7月 13, 2014 by kanbunjuku // コメントは受け付けていません。

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訳:蓬田(よもぎた)修一

<現代語訳>

万事の病根(びょうこん)
盬谷世弘(しおのやせいこう)

自分を欺き他人を欺くことは、すべての病の元である。
思う存分刈り取り、十分に切り去らなけらばいけない。
学ぶ者が生涯、いろいろと心に思い考えることは、すべてここにある。
今、講義の試験にのぞむにあたって、こっそりと人を雇い(自分の)代わりに答案を書かせたり、あるいはいろいろな手だてを使い試験の問題を探し求めさせ、あらかじめ答案を作って試験に備えたとしよう。
これは、相手を欺くということはもちろん、自分をも欺くことのもっとも甚しいものである。
諸君らは、天地の神々に誓い、自らを省みなければならない。

<書き下し>

万事の病根(べうこん)
盬谷世弘(しおのやせいこう)

自(みずか)ら欺き人を欺くは、乃ち万事の病根なり。
痛(いた)く芟(か)り深く伐(き)らざるべからざる者なり。
学者終身の工夫(こうふ)は、専ら此(ここ)に在り。
今講章(こうしやう)対問(たいもん)の時に臨みて、竊(ひそか)に他人を傭(やと)ひて代撰(だいせん)せしめ、或は多方(たはう)にして課題を探索し、預め作りて以て試に備ふ。
是れ上を欺くに論勿く、乃ち自ら欺くの尤も甚しき者なり。
各人当(まさ)に天地神明(てんちしんめい)に誓ひて以て自ら省察(せうさつ)すべし。

<漢文>

万事之病根
盬谷世弘

自欺欺人、乃万事之病根。
不可不痛芟深伐者。
学者終身工夫、専在此。
今臨講章対問之時、竊傭他人代撰、或多方探索課題、預作以備試。
是勿論欺上、乃自欺之尤甚者。
各人当誓天地神明以自省察。



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